夢の実例~他誌寄稿2006年5月
Yさん(40歳・女性)の夢
高校時代の夢。「学期途中に、新しい先生が来るいう夢を見た。1ヶ月後、担任が休養、非常勤の先生が来た」「数学のテストを受けた夢をみた。次のテストに同じ問題が出たので解けた」
Aさん(30歳・男性)の夢
「いつものように自転車で通勤する。角を曲がった所で車とぶつかり事故を起した。1週間後、夢と同じ角を曲がると、対向車線で、別の自転車と車が事故を起した場面に出くわした。」夢解き
20歳頃までは時々予知夢を見たという人は、結構いらっしゃいます。若い頃は行動範囲もまだ狭く、些細な外界の刺激でも、大変な問題のように感じます。そのため「もう一人の自分」の情報収集量も常に多い時期なのかもしれません。更に「私は何者か」を探す頃でもあり、「現実の私自身」も「もう一人の自分」との接触に積極的な時代だからかもしれません。例えば、多感だったYさんは、意識をしないまま、担任の顔色や動作から体調不良を感じていたのかもしれません。又、「この問題は出す」という雰囲気の先生を、視界に隅に収めていたのかもしれません。もしそうなら、この情報を送ってくれるのが「もう一人の自分」です。これは潜在知覚夢(=潜在的に知覚していた情報により、未来を推測した夢)と呼ばれていますが、本当の仕組みは謎です。
2本目は結末が違う予知夢です。実は、Aさんは、いつもぎりぎりに家を出ては、自転車を飛ばしていました。けれどこの夢以降、早めに出かけ、気をつけて通勤しました。そんな中、遭遇したのが、夢と似た他人の事故でした。Aさんは、夢のメッセージを大切にしたお陰で、自分の事故は回避出来たのかもしれません。自らで予知夢を外したとも云えます。でも「通勤時のその角での事故」は起こりました。
Yさんの夢以上に「潜在知覚夢」なのか「警告夢」(=現在の行動パターンから推測できる危険に注意を促す夢)だったのか、それとも全く違う「不思議な力が存在する夢」なのかは決めにくい夢です。けれど夢は元々曖昧で、理不尽なものです。夢のやり方に習ってみるのも現代には必要な気がします。Aさんの夢も、名称は何であれ、彼は無事だったのです。夢も喜んでくれたことでしょう。
「予知夢」は、実は特別なものではありません。夢に興味を持つとそれだけで「もう一人の自分」は活発になり、はっきりしたメッセージをたくさん送ってくれるようになります。貴方が付き合いに慣れると、頻度の差はあれ、予知夢は混じってきます。ただし、いつも劇的な内容とは限りません。受け取る貴方の準備が整っているなら、必要な時に、必要な姿で表れますから、中には大きなことも含まれてくるかもしれません。それに、夢そのものより、自分を信頼する気持ちを思い出す必要がある時に、小さな予知夢が訪れることもあるようです。
しかしいずれにしても、夢はすぐ翌日に現実になるとは限りませんから、その時まで覚えておく必要があります。夢は、文字という現実世界の記号で起すと忘れにくいようです。予知夢を体験してみたい方は、まず夢日記で、もう一人の自分と親しくなりましょう。
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