2011年3月15日火曜日

感情が伴う夢

2011年3月分より

夢の中で怒ったり泣いたりしている時、心拍数や血圧もそれと一緒に変化しているそうです。夢の中で怒ったことですっきりできたり、怖い思いをして疲労感と共に目覚めるのはこのためかもしれません。夢の中の感情は、夢の流れの中で違和感がないものなら、そのままの意味になりますが、状況によっては反対の意味になることもあります。夢の全体と、最近の出来事を照らし合わせて考えてみてください。


Wさん(45歳・女性)
職場のデスクにいる。私は一人だったと思う。大声で笑っている。何が楽しいのか、おかしくて、おなかがいたいくらい笑い、息も切れ切れになる感じ。何を笑っているのかは全然解からない。


Kさん(40歳・女性)
私が夫に怒っています。彼の今後のプランを聞いて「おかしいでしょ!何でいまさらそうなるの?ちゃんと毎日やっておかないからでしょ!?」などと、すごい剣幕で怒鳴りちらしています。現実では、夫にこれほど怒る理由は思い当たりません。


夢解き

Wさんの夢は「笑う」行為が、「逆の意味」を指す場合です。つまり「おかしい」感情は、喜びや楽しさではなく、悲しみの裏返しや自嘲を指すようです。

現実でも笑いすぎると、涙が出てくることがあります。夢の中でさえまだ素直に泣けず、悲しみや無力感と直面できないでいるようです。職場なので、そこでの緊張やストレスが原因なのかもしれません。

Kさんの、身近な誰かに「怒る」のは、相手からもっと大切にされたい場合が多いものです。けれど、Kさんにはどうもぴんときません。しかし代わりに、最近Kさんが自分の活動に自己嫌悪を感じている事に気づきました。

Kさんはご主人と似たもの夫婦とよく言われるそうです。夢の中のご主人は、彼女の分身なのでしょう。Kさんは「ちゃんと毎日やっておかないからでしょ?!」と、自分に怒りたかったようです。

目覚めた時の感情は、夢を考える時の大切なヒントになります。どんな夢でも感情を探る事は基本中の基本です。今回は、夢の中での感情から派生した行動が、突出しているものを取り上げています。

同じ「笑う夢」でも、「穏やかに自然に笑っている」なら夢の中でリラックスをしていることもあります。本当に楽しい毎日なので、夢にまでそれが表れたり、楽しいことを予見していることもあります。逆に、日常が辛いので、夢の中で楽しい思いをして心のバランスを取る働きの夢の場合もあります。

怒る夢も、ただヒステリックで攻撃的とは限りません。現実でも「怒り」はネガティブな感情を片付けられがちですが、行動力に変換できるパワーです。

Kさんの場合でも、これだけの爆発的エネルギーがあることが解かれば、現状を打破するためにその力を使うことを考え始めることが大切になります。