木星はギリシャ神話ではゼウス、
ローマではユピテル(ジュピター)であり、
世界を支配する暗示も持ち、
良くも悪くも、拡張や流行という意味もあります。
しかし木星にとって、山羊座は下降の座と言われ、
あまり居心地がよい場所ではないようです。
そのためか、守りや保護という肯定的な働きと同時に、
マイナス面である「肥大」や「疾病」等の意味合いが、
山羊座のマイナス面と合わさり、
社会活動を混乱させているように感じるこの頃です。
さて、そこで山羊座のお話です。
一般的な本や雑誌などでは、
出生時の太陽が12星座中のどこにあるかだけを見て
「++座のあなた」と、
大まかにその性格や傾向が示されるのは
皆様よくご存じのことと思います。
あたっている、当たっていない、など、
内容にあれこれ思うことでしょうが、
その中でも、私の経験上ではありますが、
「この内容は違う」と特に異論を唱える星座が、
山羊座であるように感じています。
例えば山羊座は「老練で実直、勤勉、堅物、
派手さはなく慎重だけれど野心的、保守的」等と書かれたりします。
しかし、実際はちょっと違うので、当然かとも思います。
それは山羊座の神話を考えてみると解りやすいかもしれません。
山羊座の神話の主役は牧神パーンです。
普通のヤギではなく、下半身が魚であり、
他の星座の物語と異なり、ユーモラスな神話でもあります。
このあたりを考えると、山羊座の人たちの異論も納得です。
「牧神パーン」は、諸説ありますが
ヘルメスの息子と言われています。
ヘルメスは、旅人や商人の守護神であったり、
音楽や語り、知恵などの神でもあり、
神々の伝令、特にゼウスの遣いでもありました。
ローマ神話ではマーキュリーにあたるので
水星の守護神でもあります。
フットワークの軽さや俊敏さ、
明るさを持つ父を持つからでしょうか、
パーンも、実はとても陽気で
熱狂もしますし、それと決めたら即行動。
葦で作られた笛を吹いては、野山を駆け巡り、
情熱的な恋多き神でもありました。
しかしその姿は、下半身はヤギ、上半身は毛深い人間ですが、
頭にはヤギの角と耳という姿です。
そのためか、恋をしては追いかけ、
追いかけては逃げられるといった話もたくさんあります。
愛用の葦の笛にもこれにまつわる物語があります。
そして、この情熱の為か、勢いの為か、
パーンは「熱情や狂気」もはらみ、
「神々や人々にパニックを与える」
とも言われています。
パーンがもたらす恐怖が、
パニック(Panic)の語源でもあるそうです。
山羊座の神話は、ある日、ナイル川岸で宴会をしていたパーンは、
歌や踊りで周囲を盛り上げ、自分も楽しんでいる所から始まります。
そこに、お酒の香りにつられて怪物テュフォンが乱入します。
実はこの時、アフロディーテと、その息子エロースも同席していましたが、
彼らは、川に飛び込み魚に姿を変えて逃げました。
(これが魚座につながりますが、これについてはまたの機会に。)
さて、パーンですが、彼も皆にならって川に飛び込みました。
しかし慌てたので、上半身はヤギ、下半身は魚の姿に
なってしまいました。
その姿があまりにおかしかったからと、
ゼウスが天に残したものが、山羊座です。
また、別の説では、
「いつも皆にパニックをもたらすパーンがパニックになった」から
神々が喜び星座にしたともいわれています。
さて、お話が長くなりましたが、
山羊座に木星が入ったことで、
この「パニック」傾向が、
そして拡大しているように思える今日この頃です。
また木星は世界を股にかけますから、
どんどん広範囲にそれは広がっていきます。
勿論、ご存じの方も多いでしょうが、
冥王星は2009年から、土星は2018年から、
既に、同じ山羊座に滞在しています。
社会や政治、経済、安全などの山羊座に、
忍耐やショックの与える土星や冥王星が入っている影響もあるでしょうし、
ほかにも様々な要因が混在しています。
ただ、ともかく、この後、
木星は5月14日から一時逆行に転じるので、
ここで何とかよい方向に転じてくれればと願ってやみません。
しかしいずれにしても木星は、12月後半までは山羊座に滞在します。
長丁場を覚悟して、腹をくくって、
長期的視野で、前向きに思案していく必要があると感じています。
付け加えておきますが、勿論、
山羊座そのものが悪いわけではありませんので
誤解なきようお願いいたします。
COVID-
今後もまだ大変な時が続くでしょうが、
具体的な予防やケアに心を配り
気を塞ぐことなく、
免疫力を高める生活で
一日、そしてまた一日と、
日々を過ごして
行きたいと思います。
少しでも、穏やかで明るい春になりますように。 |
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