私のは、幼稚園に入る前、まだ3歳の頃の夢です。それは、円谷プロの、おそらく今でもよく知られた怪獣に追いかけられる夢でした。
夢を見る前日、どなたかから、子供向け雑誌をいただきました。見開きいっぱいに、テレビと同じシーンが写真と文字で掲載されていました。あまり縁がない本だったので、珍しかったのだと思います。夜になってもひとりで眺めていました。後に、夢の中で追いかけられることになった怪獣とヒーローの戦いが繰り広げられています。
お話によると、その怪獣はとても強いらしく、ヒーローはかなりピンチ、しかも「つづく」と、結末がわからなかった記憶があります。退治してくれていなかったのが、よくなかったのかもしれません。
夢は、いつもの公園で私が一人遊んでいる所から始まりました。ブランコを揺らしていると、遠くに怪獣が見えました。みるみるうちに近づいてきました。すると周りは、本のページとそっくりに変わりました。
誰もいなかったはずなのに、本の中のように人が逃げていました。本の中にいるような、いつもの公園のような、必死に逃げながらも、私を含めた本をのぞいているようにも思える、奇妙な世界でした。そして何より、もうただ、とにかく怖くて怖くてたまりませんでした。幸い、眼が覚めた時はもう朝になっていたので、すぐに母に泣きつけました。疑似体験とはいえ、その時点での人生最大の恐怖体験だったかもしれません。
母は夢の話を聞いて、今度からは寝る前に見るものには気をつけるようにといいました。出来れば楽しい夢がいいから、好きなものやうれしいものを見て寝るといい、とも教えられました。実は、これは夢に働きかけることです。今に通じる大きな教えだったかもしれません。しかし、実際にはそう上手くはいかず、その後も夜中に恐る恐る眼を開けるような経験か学ぶことは、多々ありましたが。
成長期の子供が追いかけられる夢を見ることは多いものです。日々遭遇する初めての沢山の刺激への適応と葛藤、それに、実際に体が伸びていることからの刺激も加わります。この夢にもその要素はあるのでしょう。
けれどもうひとつ「面白い」と、後に感じたのは、この時、母が妊娠中だったことです。さらに私は、この夢を見た時に「公園に行ったら本当に怪獣がくるかもしれないから、しばらく遊びに行かないほうがいいんじゃない?」と云ったそうです。
個人的な古い楽しい夢の思い出なので、余計な解釈はいらない気もしますが、もし夢を解くなら、赤ちゃんが生まれてくることは楽しみだったのですが、その分のしわ寄せがすこしずつ生じていた頃です。ちょっとした不満や、今後への不安が寝る前の刺激を借りて怪獣になったのかもしれません。
さらに、広場恐怖症にも似て、「家を離れないほうがいいのかもしれない、自分が遊んでいるうちに大変なことになるかもしれない」という、自覚できない気持ちが現れた夢だったとしたら、3歳児もなかなかやるものです。お子さんがいる方は、彼らが小さいならなおのこと、是非興味を持って、夢の話を聞いてあげてください。
そして、実はこの出来事に関係して、もうひとつ忘れられない夢があります。それが私の2番目に古い夢です。この夢から2~3ヶ月後くらい、丁度今の季節のことなので毎年思い出します。近いうちに掲載します。
(’05.03.02.掲載)
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